第55回全国選抜少年剣道錬成大会優勝。第54回大会に続き、2年連続全国制覇、瞬間鳥肌がたちました。まずは、環境を与えていただいている東別院様誠に有難うございます。
選手が戦っている最優秀決定リーグ戦、私は、試合見ながら別の事を考えていました。
ここ数年門下生も増え、各大会でも好成績を修めるようになりました。しかし大会中私の脳裏に浮かんだのは、過去の栄光でもなく、大会で負けた悔しさでもありませんでした。師範長を受けて11年、母一人で苦労を重ねて来たご家庭で剣道が出来なくなり退門をしていった人、選手になれなくて辞めさせてくださいと直訴してきた方、父親を亡くしても悲しみの中から立ち上がった親子、そして言葉には出来ない様々なトラブル、などつい先日の様に思い出され、あの時の対応は、あれでベストだったのか? 途中で辞めていった親子は今元気か? 卒門して剣道を続けていないアイツは今どうしているかな? 決勝を戦っている選手を応援しつつ、そのような事が、走馬灯のように滲みでてきました。
そして、現門下生で洗心チームに入れなかった子の今迄頑張ってきた姿や、たぶん親子して苦しみや悲しみを乗り越えてきたろう多くの方、そのすべての努力、苦しみ、忍耐が5人の選手に乗り移り、戦ったと思います。
昨年同様、大会一ヶ月前には、調子を落とさせ、克を入れ、一週間前にようやくベストの力に戻り、大会当日、1・2回戦は、調子がまだ上がりませんでしたが、試合が進むにつれて各選手の一番良いとき以上の力が発揮され、素晴らしい試合内容で決勝まで戦うことができました。
決勝では、体格の差が、大人と子供ぐらい違う相手に果敢に挑み、相手を崩し、好機を捕らえる。まさに普段指導してきた事が試合に出ました。
毎年チーム作りをしていく中で、今年のメンバー候補の長所、短所を洗い出し、どのようなチーム作りをしていくか、計画をしています。体格もよく、運動神経がいい選手が揃っているときは、夏までにある程度作り上げれますが、体格、体力が恵まれていないときは、小学生最後までかかります。各道場により剣風や、指導方法は様々ですが、洗心道場は、時間がかかります。しかし、ある程度完成されてきたときは、その後、中学、高校、大学と進学しても必ず大成すると信じ、現在の指導方法を行っています。どうか門下生の皆さん、日々の稽古と勉強の両立は大変ですが、努力を怠らず毎日を精一杯頑張り、結果を焦らず広く長い目で物事にチャレンジしてください。
「長生、久視の道なり」この言葉が私は好きです、先日門下生にも話ましたが、わかりやすく説明しますと、種を見て、根の生えていない事を心配してはいけない、根が生えたのに芽が出ない事を心配してはいけない、芽が出ているのに花が咲いていない事を心配してはいけない、花が咲いているのに実がならない事を心配してはいけない。広く長い目で物事を見つめ、いつかは実のなることを確信して、自然の成長にまかせて決して焦らない。私は、結果が出ないときは、いつも自分に言い聞かせています。
このたび結果が出たことは、ご父兄が、道場を信じて日々協力を惜しまず、又生活の中に剣道が当然のように(毎日ご飯を食べるごとく)組み込まれ、後援会役員のご尽力、OB会の強力なバックアップ、指導者の情熱、東別院のご理解すべてが道場の為、子供達のために愛情を持っていただいたからこそと深く感謝いたします。
道場も46年が過ぎ、これからも益々発展していくよう先人の指導者、関係者に敬意を表し、関係各位に深く感謝いたします。
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